パソコンの使い方に隠れた世代間格差とは?


パソコンにフロッピーディスクを差し込んでいる写真

 昔と今、パソコンの使い方が劇的に変わっていること、気づいていますか?

 私の年代に近い皆さんにとっては、パソコンとはソフトをインストールし、何かの作業をし、そしてそのデータを保存するためのツールでした。このため、ファイルの保存場所をしっかりと覚え、時にはデータのバックアップや移動を行うことも必要でした。

 このような、言ってみれば「パソコン単体時代」が、終わりを告げようとしています。

 「パソコン連携時代」の現在は、ブラウザー(GoogleのchromeやMicrosoftのEdgeなど)を使って、メールの送受信から文書の作成、表計算などなど、一通りのことができるようになっていて、データのバックアップをすることも、ソフトをインストールすることも必要性もありません。

使っているけど「知らなかった」ウェブアプリとは?

 ウェブアプリは、特定のソフトウェアをパソコンにインストールすることなく、インターネットブラウザを通じて利用できるツールのことです。

 ウェブアプリでは、私たちのパソコンはインターネットの「向こう側」にある大きなコンピューターと通信をして仕事をします。つまり、実際の計算やデータ処理は、この遠くの大きなコンピューターで行われ、私たちのパソコンはその結果を表示するだけなのです。

 昔は、私たちのパソコン自体が全ての作業をしていましたが、今はインターネットを介して、遠隔地のコンピューター(これが良く耳にするクラウドです)が主に作業を担当しています。

 インターネット以前の「パソコン通信時代」をご存じの方であれば、それと同じ感覚です。

 当時は、参加したグループの掲示板を見る程度の機能しかありませんでしたが、大きなコンピュータのほうも能力が格段に向上していて、今では様々な便利ツールをインターネットを介して提供している、というわけです。

 最近話題になっているAIも、まさにそれです。

なぜファイルの保存場所がネットの向こう側になったのか?

 実際の処理だけではなく、その結果出来上がったファイルの保存場所がネットの向こう側になったことも、昔と今とで大きく異なる点です。

 なぜそのような作りになっているかというと、そのほうが便利だからです。

 どのように便利かというと、そのファイルを設定一発で、例えば社内のチームで共有(シェア)できるからです。共有も単にそのファイルを見ることができるだけではなく、それを共同で編集することができるようにすることも可能で、これが大きい。

 この場合、ひとつのファイルをチーム全体で見ているワケですから、何度も推敲されるようなものの場合に、どれが最新のものかといった面倒な管理が不要になりました。

現在は「チームの作業」を効率化するのがパソコンの役割

 便利になったこと一つひとつを取り上げても、「なんだその程度のことか」と思われるかも知れませんが、チーム全体で眺めてみると、大きな差ということになります。

 パソコンはもともと、個人でやる作業を効率的に行うために使われていた道具です。

 その作業をチームで行うことの一部分と考え、全員がそれぞれにやっていた手間を誰か一人のひと手間で済ませることができるようになった、というイメージで理解しておくのが良いかも知れません。

前提となる「基本的な知識」も大きく変わっている

 すると、業務でパソコンを使うにあたっては、当たり前のこととして知っているべき知識も変わったということになります。特に、アカウント、共有(シェア)、権限などは、私と年代が近い方々にはあまり縁のない概念だったのではないでしょうか。

パソコンの使い始めがウェブアプリだった世代からすると…

 ところが、最近のお若い方々は、パソコンを使い始めたときからウェブアプリを使っていた、つまりパソコンを使い始める入口がウェブアプリだった方がほとんどです。

 すると、そうした人たちの目には、戸惑うベテラン世代が「なんでそんなこともできないの?」となってしまうのも自然な流れ。パソコン単体時代の知識・経験が逆に邪魔になっているだなんて、想像もつきませんから。

パソコン単体世代の皆さんが、ウェブアプリに慣れるには?

オンライン学習中の女性の写真

 初めてパソコンを使い始めた頃は、分厚い紙の本が相手だった方が多いと思いますが、今は学び方も新時代です。

  1. オンラインチュートリアルを利用する:ウェブアプリは進化も早いため、その使用方法は、オンライン上で提供されているチュートリアルやビデオを活用して基本操作を学ぶことが重要です。
  2. ウェブアプリのデモンストレーションを視聴する:多くのウェブアプリは公式ウェブサイトやソーシャルメディアでデモンストレーションを公開しています。これらのデモを視聴することで、具体的な使用方法や便利な機能を理解する手助けになります。
  3. オンラインコミュニティに参加する:ウェブアプリを利用している他のユーザーと交流することで、アプリに関する情報やヒントを得ることができます。公式のサポートフォーラムやオンラインコミュニティに参加して、質問を投稿したり他の人の意見を聞いたりすることをおすすめします。
  4. ヘルプドキュメントを活用する:ウェブアプリには通常、詳細なヘルプドキュメントやマニュアルがオンラインで提供されています。細かな操作などは必要に応じてそれらを参照することで、より深くアプリの機能や使い方を理解することができます。
  5. 少しずつ練習する:初めてのウェブアプリは戸惑うこともあるかもしれません。まずは基本的な操作から始めて、徐々に慣れていきましょう。短いセッションで練習することで、徐々にスキルを向上させることができます。

 というわけで、最近のパソコンの使い方にはどうも慣れないという皆さん、「見てわかった」で終わらずに実際に手を動かしながら、じっとスキルの習得に努めましょう。

 陰ながら応援しています😉。

 

 

 

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“パソコンの使い方に隠れた世代間格差とは?”. への2件のフィードバック

  1. mazda のアバター

    便利な機能よりも前に、詐欺サイトやマルウエアの知識が必要かもしれませんよね。なんでも「Yes」をクリックしてしまう人が多いです。エラーメッセージの内容も英語だから読まなかったとか。ヘルプのためにもスクリーンショットの取り方も覚えてほしいです。

    いいね: 1人

    1. 長谷川 まさし のアバター

      mazdaさん、コメントありがとうございます。おっしゃる通りで、セキュリティに関する意識づけが実は最も重要だと、私も思います。シニアの方向けのスマホ教室をされている方にお伺いしたことがありますが、最も伝わりにくい部分かも知れませんですね。

      いいね

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